私たちの視覚は実世界を豊かに教えてくれます。今日の朝ごはん、通学路の様子、スマホのメッセージなど様々な情報をすばやく認知します。コンピュータにも目があり、運転サポートや医用診断など私たちの生活を豊かにしてくれています。カメラで撮影した画像を処理して有用な情報を抽出する技術を画像処理といい、人とロボットが共存する重要な技術です。私たちの目と頭が密接に連携しているように、画像は知的なアルゴリズムによって支えられており、人工知能の急速な発展に伴い画像処理技術も格段に進歩しています。この公開講座では、人工知能がどのように動作しているかを学びます。さらに、最新の画像処理技術を紹介します。参加者にマルチメディア処理技術の知識を深めていただくことを目指します。
公開講座
OPEN LECTURE
電気情報物理工学科オープンキャンパス2024では4件の公開講座を開催します。
場所は、復興記念教育研究未来館1階の復興記念ホールです。
会場のご案内
現地での対面開催のほか、オンラインでのリアルタイム配信も行います。
視聴は以下の各講義タイトルをクリックして入室してください。
30日(火)13:00~13:30
「人工知能による画像処理技術」
30日(火)15:00~15:30
「物理で拓くガラスの世界~古代ガラスから量子通信まで~」
31日(水)10:10~10:40
「ナノの世界を観る、測る、創る、操る~顕微鏡開発の最前線~」
31日(水)11:30~12:00
「変わりゆく海:海洋ビッグデータ解析の挑戦」
近年の公開講座動画はこちらから視聴できます⇒2022年度公開講座動画/2021年度公開講座動画/2020年度公開講座動画
ガラスは、普段私たちが身近に目にするものであり、気づかないところでもその性質を利用して生活を豊かにしています。医療や宇宙の知識、コンピュータやインターネットなど、私たちが当たり前と思っている生活とそれを支える科学技術は、ガラスなしにありえません。よくわかっていると思われがちなガラスですが、それを構成する原子の位置は不規則で、しかも時々刻々と変化しています!この授業では、今なおパラドックスや不思議現象がたくさん存在するガラスを、物理でひも解き見えてくる深淵な科学を紹介します。古代から人を支え、そして人によって発展してきたガラスは、これからの量子インターネット社会をも支える重要な材料です。
講師プロフィール
東北大学大学院工学研究科 応用物理学専攻
教授
スマートフォンやコンピュータなどの身近な電子機器には半導体や誘電体と呼ばれる物質でできた様々なデバイスが無数に使われています。これらのデバイスは、ナノメートル(1ミリの100万分の1)単位で精密に加工されており、ほんの指先のほどのデバイスの内部には微細な電子回路が無数に作りこまれたナノの世界が広がっています。ナノの世界を如何に制御するか、物質が持つポテンシャルを如何に引き出すかが、高速化や省電力化などデバイスの性能向上の決め手となります。では、このような極小さな電子回路の出来具合やそれらを構成する物質の性質を原子・分子レベルで「観る」「操る」にはどうすればよいでしょうか?本公開講座では、それらを実現する走査型非線形誘電率顕微鏡(SNDM)と呼ばれる「針」を使った顕微鏡技術の開発や次世代材料・デバイスへの応用の最前線についてご紹介します。
講師プロフィール
東北大学 電気通信研究所
准教授
2023年7月、国連のグテーレス事務総長が「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と発言しました。今、地球規模の環境変動への対応は緊急の問題となっています。地球表面の70%は海に覆われているのに加えて、日本は海に囲まれているため、海洋環境の理解と、海洋資源の管理はことさら重要です。近年、測定技術の向上により、生物学の各分野で膨大なデータを収集し解析するデータ科学が普及しています。私たちは、海水に含まれる微生物やプランクトン、魚類のDNA配列を網羅的に解析し、海洋生態系の動態を解明し、持続可能な漁業や沿岸域の適切な開発計画に貢献していきます。この講演では、海洋ビッグデータ解析の挑戦とその意義について詳しく紹介します。
講師プロフィール
東北大学大学院情報科学研究科 生命情報科学分野
教授