研究室公開

OPEN LABORATORY

物理が開く新しい世界
応用物理学コース

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量子通信技術を加速する新しい機能材料

量子通信技術を加速する新しい機能材料

小野研究室

EXHIBIT

オープンキャンパスでの展示

捉え方を変えると新しい科学が見えてくる

高速光通信を支える光ファイバ(右下図)にはシリカガラスというシリコンと酸素から構成されるガラスが使われています。非常に透明なシリカガラスですが、それを原子から見る(左上図、ポジ像)だけでなく原子のない空間(ネガ像)を考えたら、、、もっと透明にする方法があったんです。そんなものすごく透明なガラスで、これからの量子通信を支えていきます。どこまでも透明な材料。その一方で、特殊な光を出すなど、新しい光機能性をもつ材料の創成も目指しています。

トポケミカル効果でガラスやアモルファスの構造を制御

結晶基板の上に物質を堆積すると、上に積まれた物質の構造が下地の基板によって影響を受けます。この様な効果をトポケミカル効果と呼びます。アモルファスを結晶基板の上に堆積させても、トポケミカル効果を受けて、普通の方法でつくるときと違う物性を示す特殊なものができることがわかってきました。新しいアモルファスを作ることのできる方法として期待しています。

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量子通信技術を加速する超透明材料

皆さんが日々利用するインターネットは、主にシリカガラスというSi(ケイ素)とO(酸素)から作られる光ファイバによって出来ています。光ファイバは空気よりずっと透明で、光の情報を遠くまで伝えることができます。それでも光がファイバで散乱されて弱くなるので、光を増幅する中継器が使われています。さて、最近量子暗号や量子通信といった新しい情報の伝え方が注目され、安全な社会をつくるのに役立つことが期待されています。ところが、これらの情報は、増幅することができません。このため今までよりもっと透明で遠くまで光を伝えられる材料が必要です。当研究室では、このような材料を創る研究をしています。

新しい発光材料の開発

右手と左手のような鏡に映った像ともう一方が同じ形になる性質をキラリティと呼びます。このキラリティは原子や分子などミクロの世界にも存在しています。そして、キラリティを持った物質と光が出会うと、回転しながら進む光、“円偏光”を作ることができます。円偏光は量子通信や量子コンピューター、植物工場のLED照明まで、いろいろな場面での利用が考えられています。当研究室では、キラリティを持ったセラミックス結晶やガラスを光らせることで、円偏光を発する新しい発光材料の開発をしています
美しさは永遠の魅力です。古代のガラスには、数百年間土の中で眠っていたことによって得られた美しさをもつものがあります。このようなガラスを現代の技術力をもって再現してみよう。人は地球を模擬できるのでしょうか?!こんな研究も行っています。