研究室公開

OPEN LABORATORY

未来を切り拓く最先端のエレクトロニクス
電子工学コース

03

超音波で体の中をみてみよう

超音波による病気の早期発見を目指して

(吉信)・荒川研究室

EXHIBIT

オープンキャンパスでの展示

実際に自身の超音波断層像を撮像

超音波診断装置は,体を切ることなく,またX線のように被爆することもなく,生体内の断層像を簡単に得ることができる有用な装置です.本展示では,毎秒数千枚を可能とする高速超音波断層法,心臓や血管など循環器系の機能・血流の計測法,生体組織の粘弾性特性(硬さ)計測法など超音波診断に関する最新の研究内容に関する展示をご覧頂けるとともに,実際に自分の頸動脈の超音波断層像をリアルタイムに観察できます.

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心臓収縮を引き起こす興奮の伝播を超音波で可視化

心臓の診断には心電図が広く用いられていますが,心筋の各部位の性状を診断することは困難です。心筋の収縮を引き起こす興奮(心電信号)が心臓壁を順に伝播する様子を可視化できれば,心機能のダイナミックな計測・診断が可能になると期待されています。本研究室は,超音波計測の空間分解能を1 mm,時間分解能を2 msまで飛躍的に向上させ,心電信号の伝播を高精度でダイナミックに計測する手法を開発しています。

超音波による動脈壁弾性特性の計測

心筋梗塞や脳梗塞など重篤な循環器系疾患の主原因は動脈硬化症です。動脈硬化症は進行するにつれて動脈壁が硬くなるため,動脈壁の硬さを高精度で推定できれば,動脈硬化症の診断に大きく役立つと考えられます。本研究室では,1心周期内で生じる数十ミクロンの動脈壁微小厚み変化を,超音波信号の位相に着目し高精度で計測することにより,動脈壁の硬さを正確に推定する手法を開発しています。

 

超音波による赤血球凝集度の評価

血栓症など様々な循環器系疾患を未然に防ぐため,血液性状を簡便に評価できる手法が求められています。血液中の血球成分の大部分を占める赤血球の凝集度は,血液性状を決定する重要な指標です。本研究室では,超音波の散乱パワーの周波数特性が,周波数の4乗に比例することを利用して,赤血球凝集体のサイズを推定する新しい手法を開発しています。