研究室公開

OPEN LABORATORY

次世代情報通信システムとデバイス
通信工学コース

02

人とコンピュータが共存する社会へ

人工知能による超スマート社会の実現

大町・宮崎研究室

EXHIBIT

オープンキャンパスでの展示

人と共存する画像処理技術をご紹介します

人間にとって視覚的に得られる情報は非常に重要であり、私たちは様々な視覚情報を当たり前のように処理しています。しかしコンピュータにとってそれは容易なことではありません。人間のように文字や画像を精密に認識・理解できるコンピュータの開発を目指して私たちは研究を進めています。展示では画像中のテキストをコンピュータが認識し、さらに消去するシステムを紹介します。画像中のテキストは個人情報や場所の特定につながる情報を含むことが多く、消去することでプライバシーの保護を実現できます。

スマホアプリが研究室をナビゲート

SmartCampusへ

重要な情報を高精細かつ効率よく伝送する映像技術

スマホを使っていて容量を使い切ってしまった経験はありませんか? 通信状況が悪くて映像が途切れてしまったことはありませんか? インターネットによる高速通信に伴い、動画配信サービスやテレビ電話など、ネットワークを通した映像の使用頻度が高まってきています。しかし、映像は文章や音声に比べて情報量が非常に大きいため、大量のデータ通信が発生します。インターネット全体で見ても、2020年までに映像情報のデータ量が全体のデータ量の4分の3を占めるようになると言われています。そのため、映像の品質を保ちつつデータ量を削減する映像技術が求められています。本研究室では重要な情報を高精細に伝送するための最新の画像認識技術や映像データの圧縮に関する研究を行っています。

古典籍画像の検索

古典籍(明治より前に日本で印刷・書写された書籍)は文化的に重要なだけでなく、歴史や先人の知恵が詰まった情報の宝庫です。ウェブページを検索するように膨大な古典籍を検索できれば、得られる情報は計り知れません。例えば1000年に一度の地震の情報は1000年前の文献の情報が役立つでしょう。ユネスコ無形文化遺産に登録された和食という文化を理解するには過去の料理に関する記述が役立つでしょう。しかし、古典籍は膨大で、検索できるようにテキストの形にするには大変な手間がかかります。手書きのくずし文字を高精度に認識するのも困難です。そこで本研究室では、テキストの形にすることなく、古典籍の画像そのものから必要な情報を検索する技術を開発しています。例えば過去の地震の情報を探したい場合、古典籍で使用されている「地震」という文字列の画像を作り出し、画像の類似性を利用することでテキスト検索を行う手法を開発しました。

サバの自動仕分け(類似した対象物の高精度判別)

本研究室では実用的なシステム開発の研究も行っています。その一つがサバの自動仕分けです。日本近海で獲れるサバにはマサバとゴマサバがあります。この2種は価格が大きく異なるのですが、非常に似ていて人間でも判別が困難です。水産工場では専門の作業員が手作業で1匹1匹仕分けをしているのですが、大変な作業です。このような極めて類似した対象物を高精度で判別することは、現在の画像認識技術をもってしても困難です。本研究室では、サバの形状や模様のわずかな違いを利用して2種類のサバを判別する手法を開発し、企業と共同でサバの自動仕分け装置を開発しました。