研究室公開

OPEN LABORATORY

21世紀のエネルギーと知的システム制御
電気工学コース

01

超電導技術がもたらす未来への可能性

流す! 浮く! 超電導現象を見てみよう!!

津田・長﨑研究室

EXHIBIT

オープンキャンパスでの展示

超電導線・バルク体を用いた超電導の電気・磁気特性および超電導ジェットコースター

将来の持続可能な社会の実現には、再生可能エネルギーと画期的な電気エネルギーシステムとして無限の可能性を秘めた超電導技術の活用が必要です。本研究室ホームページ(https://www.ecei.tohoku.ac.jp/sclab/)には、超電導やエネルギー貯蔵技術を応用した研究事例の紹介動画を掲載していますので是非ご覧ください。ぜひ、本研究室の研究室公開(2号館101号室,水素実験棟)にお越しください!!

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超電導ジェットコースター

 みなさんは超電導に対してどのような印象を持っていますか? 「そんなのもちろん,”超電導 = 浮く”でしょ!!」と思ったあなた,,,その浮く原理はご存じですか? 実は,超電導体が磁石の上で浮く原理は,まだまだ謎が多く,詳しく説明できる人はほとんどいません。
 そこで本研究室では,謎の多い超電導体に対して親しみを持ってもらうため,超電導バルク体を使った「超電導ジェットコースター」の製作を行っています。本 ジェットコースターは,レールに永久磁石(ネオジウム磁石)を使用し,超電導体の奇妙な特性を利用することで,超電導バルク体をレールと接触させることな く,浮上走行させることが可能です。また,ジェットコースター製作の歴史は長く(約10年以上),みなさんにより親しんでもらうため,年々少しずつ進化させています。
 ぜひ超電導の世界を体験しに,津田・長崎研究室までお越し下さい。

磁気浮上型超電導免震装置

 2011年の東日本大震災はここ宮城の地にも大きな爪痕を残していきました。地震が頻発する日本において,建物を守るための対策はますます重要になっています。
 そんな中,近年では振動を伝えない免震システムを導入した建物に注目が集まっています。しかしながら現在の免震システムは,建物と地面が接触しているため,振動を完全に排除することは難しく,ゆっくりとした揺れがどうしても建物に伝わってしまう状況です。
 そこで私達が注目しているのが超電導バルク体と永久磁石を用いた“磁気浮上型超電導免震システム”です。超電導の“ピン止め効果”と呼ばれる磁気現象を利用して,なんと建物を浮かしてしまいます。これにより建物と地面の間に空間ができ,横揺れを完全に遮断することが可能になりました。縦揺れへの対策などまだまだ実用化には時間がかかりますが,将来日本中の建物が超電導免震システムを利用してふわふわと浮いている,そんな未来が待っているかもしれません。

電力・水素複合エネルギー貯蔵システム

 将来の持続可能な社会を実現するには,再生可能エネルギーの有効活用が不可欠であり,近年,脱炭素化に向け再エネ電源の普及が進んでいます。しかし,再エネ電源は発電出力が不安定であり,電力需要とのバランス調整が困難になります。高度なバランス調整の実現には、これまでの概念にとらわれない新たな電気エネルギーシステムの構築が必要であり,中でも超電導やエネルギー貯蔵技術は,今後の電気エネルギーシステムを支える重要な基盤技術です。
 そこで,私たちは電力を即時に貯蔵・放出が可能であり,災害などの非常時においても安定して電力供給できる「電力・水素複合エネルギー貯蔵システム」を提案し,再エネ電源の導入促進に向け研究を進めています。
電子情報システム・応物系一号館の後ろに実験設備(写真:津田・長崎研究室水素実験棟)がございますので,ぜひ見学にお越しください。